“どんどん失敗してください”インプロ特別講座
FOR ME NY特別監修であり、スタンフォード大学名誉上級講師のPatricia Ryan Madsonさんのインプロバイザー育成特別授業をStanford 大学Continuing educationにて受講しています。
Patriciaさんの著作『スタンフォード・インプロバイザー 一歩を踏み出すための実践スキル』の一部を抜粋して、インプロのエッセンスや人生を豊かにする考え方をシリーズでご紹介します。
失敗について
第一回目の今日は、失敗についてです。
人生に失敗はつきものですね。失敗すると後悔し、自分を責め、焦ってしまいます。
また、失敗しないように、気を張ったり緊張してしまうことも多いのではないかと思います。
たくさんの形でストレスがかかる失敗について、Patriciaさんはこう述べています。
私の教室にはこんな張り紙がしてあります。
「とんどん失敗しない人は インプロバイザーではない」
失敗は友人であり、試合におけるパートナーです。なくてはならないものなのです。ミスをすることは、人の機能でもあります。
インプロバイザーは、ミスを避けるべきものとは考えません。それはわたしたちのOS(オペレーティング・システム)の一部なのです。
どんどん失敗すると言うこの章のルールを取り入れると、積極的に「へま」の世界へ飛び込むように促されます。
そして冒険をすることになります。
どんどん失敗してくださいと言うとき、本当にわたしが伝えたいのは、
リスクのあることや困難なこと、つまり居心地のいい場所の外(失敗する可能性が潜在するところ)にあることに果敢に挑戦してほしい、と言うことです。
カメを思い浮かべるとわかりやすいでしょう。カメが前に進むのは、甲羅から首を出したときだけですね。
この習慣を、わたしたちは身につける必要があります。
皆さんは失敗に対してどう向き合っていきますか?
“Uncomfortable zone” (居心地の悪い場所)は私たちを成長させるという言葉をよく聞きますが、なかなかそこにいる間は辛く難しい時間を過ごしますよね。
なるべくそこから逃げ出そう、避けようというのではなく、Patriciaさんの言う様に、そこに果敢に挑戦しよう!と見方を変えて向き合ってみるのもいいのかもしれません。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
インプロとは
インプロとはインプロビゼーションの略で、日本語で言う即興を示します。演劇の世界では即興劇用に様々なトレーニング方法が長い時間を経て確立されており、ブロードウェイ俳優養成学校などで受講することが出来ます。
インプロでは、全てが自由です。定められた台本も筋書きもなく、すべて俳優たちの最良に任せられています。
最近になって、俳優のためだけではなく、発明力や創造力、表現力、臨機応変能力、コミュニケーション力を養うための学びとしても非常に有効であることが米大企業、経営者たちの間で知られ始め、世界中の企業や教育機関から注目をあびています。
スターバックス、マリオット、マイクロソフト、マサチューセッツ工科大学や、スタンフォード大学までもがこのインプロを取り入れた研修を行なっています。
『MIT Sloan Management Review』で発表された、“Learning the Art of Business Improvisation”という研究では、急速な変化への対応とイノベーションが求められるビジネスシーンにおいて、クリエイティブに問題解決を行っていくためには、インプロが有効と説明されています。
特に商品開発とチームパフォーマンスに向上が見受けられ、具体的な変化を認識したり、変化をポジティブに捉えられるようになる研究結果が出ています。
相手の心に寄り添い、心地よい環境を作り、喋りやすく楽しい場所を提供し、舞台(職場)上でどんなアクシデントが起こっても、それを「楽しく」とらえ、先に進んでいく力はどの職業においても重要なものであると考えられているからではないでしょうか。
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