この秋、4週間にわたってニューヨークで開催された “Improv 4 business”というビジネスマンのためのインプロワークショップに参加してきました。

毎週火曜日19時〜21時にマンハッタンのとあるスタジオに仕事帰りのスーツ姿で集まるニューヨークのビジネスマン達。

インプロをなぜビジネスマンが学ぶのか、俳優であり起業家の私がこのワークショップで学んだこと、気づいたことなどを二回にわたってお伝えします。

第二回目は、 “Improv 4 business” ワークショップで実際に勉強したアクティビティや感想などをお伝えします。

インプロの説明や、インプロとビジネスの関連性は第一回目の記事に書いてあります。

こちらからご覧ください:https://formenewyork.com/ニューヨークのビジネスマンは会社終わりにイン/

【ワークショップ初日 】

参加者は皆ニューヨークの企業に勤める会社員。仕事帰りにワークショップに来ていました。

お互い軽い挨拶は済ませたものの解けぬ緊張感。これから何が始まるのかな、私だけ会社勤めじゃないけど大丈夫かな、名前聞いたけど忘れちゃったな、そんな不安な感情が頭を駆け巡ります。

開始時間である7pmちょうどになると、

“さあ、皆さん立って円になって!”

という明るい講師の声がスタジオに響きました。いきなり始まったのはインプロテクニック を使った自己紹介アクティビティ。これによって私の緊張も、皆さんの笑顔もほぐれ、スタジオが笑いと明るい雰囲気で溢れました。

【緊張を解くアイスブレークとは】

アイスブレークとは、直訳すると、氷を壊す。

初対面の人と会った時、何かチームとして新しいことを始めるときに、緊張した硬い雰囲気を解くことを表します。

インプロを使ったワークショップではこのアイスブレークのためのアクティビティが必ずと言っていいほど最初に行われます。

ワークショップ初日ももちろんアイスブレークから始まりました。

【アイスブレーク ビジネスマン自己紹介編】

まず、初対面の人同士が集まった時に大変なことといえば名前を覚えることではないでしょうか?

簡単に済ませた挨拶で全員の名前を覚えるのはなかなか難しいですよね。さらに何度も名前を聞くのも失礼なので、結局最後まで名前が分からず帰るなんてことも・・・

今までも様々なアイスブレークアクティビティを勉強してきましたが、今回のビジネスマン向けのワークショップでは今までのものとはまた違ってさらに発展した面白いアクティビティを習ったので、お互いの名前を覚えるための自己紹介から始められるアクティビティをいくつか順にご紹介します。

1. 円になって、まずは順に自分の名前を言います。自己紹介です。

例. Mariko→Miyako→Ken→Bob→Rachel….

2. 次に自分の名前と覚えている人1人の名前を言います。その時に相手の目を見ることを忘れずに。名前を言われた人は自分の名前と、他に覚えている人の名前を言います。

例. Mariko, Ken. →Ken, Miyako. →Miyako, Bob. →Bob, Rachel.

これを何度か繰り返すと、名前が自然と頭に入ってくるので不思議。もし全員の名前を忘れてしまっても大丈夫、インプロは全てがOKです。コソッと教えてあげる、自分の名前を口パクで伝える、など即興で皆でフォローしましょう。

3. 次に自分の名前の頭文字から始まる形容詞を自分の前につけます。ここは恥ずかしがらずにこの際形容詞すごいを付けましょう。まずは円の並び順に沿って一人ずつ。

例. Marvelous Mariko!  → Miraculous Miyako→ Kindly Ken!

4. 今度は2のアクティビティに3の形容詞がついた名前を付け足します。

例. Marvelous Mariko! , Miraculous Miyako! → Miraculous Miyako! , Kindly Ken!→ Kindly Ken!, Marvelous Mariko!

5. 次は円のまま椅子に座ります。互いの共通点を見つける椅子取りゲームをし、親交を深めます。

例. All those who loves cat, switch! (猫が大好きな人!スイッチ!)

椅子を取り損ねた人が今度は質問します。

例. All those who play baseball, switch! (野球をする人!スイッチ!)

このゲームが終わると、

“さっき野球やるって言ってたよね?今度一緒に〜”

“私とっても可愛い黒猫を飼ってるの!あなたは?”

先ほどまで初対面で緊張していたとは思えないほど皆会話が止まりませんでした

6. 今度は円になったまま、自分のいいところをリズム良く順に言うアクティビティです。何周も回ってくるのでたくさん考える必要があります。

これがなかなか難しい。自分のいいところはきっと周りの人が知ってくれているし、初対面の人に対して自ら自分の良いところを発表するなんて頭が固まってしまいそうでした。

例.  

Mariko:I’m good at cooking! (料理が得意!)

Miyako:I’m a good singer! (歌がうまい!)

Ken: I’m a great baseball player! (野球が得意!)

など最初は何かの行動に関して自分のいいところを皆発表していました。

ところが何周も回ってくると流石にネタが尽きます。

すると今度は自分の性格の良いところに対象が変わっていきます。

例. 

Mariko:I’m kind! (私は優しい!)

Miyako:I’m friendly! (私ってフレンドリー!)

Ken: I’m funny! (僕は面白い!)

自分の良いところを咄嗟に口に出すのはとても頭を使うことがわかりました。いつも使わない脳の部分を刺激しているようでした。

7. そのまま円になった状態で今度はペンを順に渡していきます。

そしてそのペンについて即興でペンの使い道をプレゼンテーションをします。これも何周もします。

例. 

このペンは耳かきに使えます!→このペンは頭を搔くのに便利です!→このペンは鼻の下に挟んで暇を潰せます!→このペンはお箸がないときに代用できます!

6のアクティビティで頭が柔らかくなったのか、皆さん活き活きと即興のプレゼンテーションをされていました。

【上手いプレゼンって何?】

皆さんプレゼンテーションは得意ですか?

ネットで”プレゼン”と検索すると、

“プレゼン 緊張” ”プレゼン コツ” 

と出てきます。では一体上手いプレゼンとは何でしょうか?

それを勉強するアクティビティの1つを第二週目に勉強しました。

その日はあらかじめ宿題がメールで送られていたので、私も準備万端でワークショップに向かいました。

その宿題とは、自分が考えた発明を30秒でプレゼンするというものです。ここでは省きますが皆さんクリエイティブな発明ばかりで、聞き手側からは終始笑いや感動の声が上がっていました。

一人一人プレゼンが終わると、講師から、

“サプライズです!MarikoはKenのプレゼンを、MiyakoはMarikoのプレゼンを、KenはMiyakoのプレゼンを、あたかも自分の発明のようにプレゼンしてください!”

と発表がありました。皆さん頭を抱えて

“NO~~~~~!!!”

と叫んでいました。

今聞いたばかり、しかもたった30秒のプレゼンなのに、人のプレゼンってちゃんと覚えていないものです。

ですが、人のプレゼンをそれぞれぎこちなく発表した後に皆で話し合い、共通して気づいた事があります。それは、

・数字やデータは覚えていない

・タイトルがあると覚えやすい

・その人の体験談は覚えている

・インパクトのあった箇所は覚えている

・ユーモアのあった話は覚えている

でした。

この気づきを踏まえて残りの2週もプレゼンが上達するためのインプロアクティビティをたくさん学びました。

【やっぱりインプロはICC能力を向上させる!】

4週にわたってビジネスに役立てるためのインプロ研修を受けた私が、ワークショップ最終日の一番最後のアクティビティで気が付き、感動した事がありました。

そのアクティビティは、グループに分かれ、インプロがどうビジネスに役立つのかをインパクトのある方法でそれぞれ発表するというものでした。

私のグループは私以外皆男性で、初対面の印象はとてもシャイなビジネスマン達でした。

その方達が、自ら、

“インパクトが欲しいよね、演劇調にしよう!”

“お〜いいね!じゃあダンスも入れてブロードウェイ流にするのはどうだい?”

とアイディアを出し合い、人のアイディアを肯定し、発展させ、

発表では、俳優の勉強をしてきた私が負けてしまうほど、まさにブロードウェイ俳優のような自信に満ちた振る舞いで表現していたのです。

それは、場面応じて臨機応変に対応をきかせ物事の視点を変えていく発明力(I)、そして現実を新たに切り開いていく創造力(C)の豊かさ、さらにその2つの力を相手にしっかり伝え、アイディアを受け取る表現力(C)の高さ、つまり私たちFOR ME NYが唱えるICC能力そのものでした!

【まとめ】

俳優としてインプロを学び、起業家として一からビジネスを学ぶ中で、ミーティングやプレゼンの際にもっとインプロを役立てられないか、俳優としてのICCをさらにビジネスシーンにも発展させられないか、そしてこの技術を日本に持っていけないかと考えていた私。

4週にわたりインプロをビジネスに役立てるためのビジネスマン向けのワークショップに参加し、インプロはビジネスにも役立つことを身をもって体感しました。

これを機に、私たちFOR ME NYは現在話し合いを進めているプロジェクトをさらなる自信を持って進めていきます!今後の活動にどうぞご注目ください。

【FOR ME NY /Upcoming project】

インプロを使ったプライベートワークショップを来たる12月にニューヨークで開催します。

今回は日本人高校生向けです。ゲスト講師にはメトロポリタン歌劇場ダンサーと、今度新しいドラマでニコール・キッドマンと共演が決まっている俳優を迎えます。

自己効力感をテーマにCelebrate Being You”と題した4時間のワークショップです。自己効力感に関する記事はこちらから:https://formenewyork.com/世界一自己効力感の高いコスタリカ人に聞いた、/

このワークショップにおいてどんな効果があるのかをワークショップの事前事後、そして3ヶ月後にアンケートを用いて調査する予定です。Rosenberg の自己肯定感調査、Gillad Chenの自己効力感調査に基づき調査表を作成し、調査します。

【FOR ME NYについて】

アメリカのニューヨークに拠点を据える「FOR ME NY」は、国立音楽大学声楽科卒業後、女優としての道を選びアメリカで研鑽を重ねた甲斐万里子と坪田京子が「芸術を通して社会に貢献したい」というお互いのミッションに賛同して設立した芸術系コンサルティング会社です。

FOR ME NYでは、ニューヨーク発の「表現芸術×心理学=セルフケア」 という概念のもと、これからの時代を生きる日本人のために開発した独自のメソッドを基盤に据えて、インプロを使ったICC能力向上を中心とした体験型ワークショップのプログラムを提供しています。

インプロをはじめとした芸術を通じて、ICC能力と個人の自己肯定感を高め、QOLを向上させていくことを上位の目的に据え、芸術を通じて皆様に貢献していくことを願っています。

 

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